木の葉雨

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『友の父九十三歳の木の葉雨』
病院にいると、友人が廊下を小走りに歩いていた。とっさに僕も理解した。呼び止め一緒に病室に入るとまだ息をしていた。後、数時間の命だという。四週間前から、覚悟をといわれていて、僕も毎日病室には顔を出していた。夕方までは持ちそうだという。僕は仕事に戻った。仕事を終え病室に向かうと、看護師長が悲しそうな顔で今逝きましたと告げた。病室に入ると、親しい医師が時間を継げてくれた。一人っ子の友人と奥さんは、お父さんの顔を撫でている。自分に言い聞かせるように「九十三歳と三ヶ月、大往生だったよ」。僕に言った。彼も、お父さんも医師である。二人とも納得のいく医療を、担当医師に伝え治療してもらっていた。それからは、看護したちの出番で、僕らは病室をで珈琲を飲んで、支度の終わるのを待った。葬儀社の車が向かいに来て、遺体は自宅へと向かった。外は、朝からの木の葉雨が上がっていた。

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# by arajin01 | 2015-11-02 22:54 | Trackback | Comments(0)

木の葉散る

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『木の葉散り秋の別れの筏かな』
今日から十一月だ。昨日見た、山奥の湖の湖面に散った木の葉は、秋の別れの筏のように思えてきた。苦い思い出も何もかも乗せて、流れ去って欲しいものだ。

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# by arajin01 | 2015-11-01 21:19 | Trackback | Comments(0)

水の秋

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『山上湖眼に優しきや水の秋』
最後の紅葉見物にと南アルプスの渓谷に行った。ついでに山奥はと、白州ビレッジの湖に分け入った。湖には人影もなく、水面は小さな漣があるものの鏡面のように静かに森の紅葉を映し出していた。吸い込まれそうな湖を眺めていると、優しく抱き寄せてくれるようで気分が落ち着いてくる。小鳥の鳴き声を訊きながらしばらく最後の紅葉を眺めていた。湖は、まさに水の秋であった。

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# by arajin01 | 2015-10-31 21:59 | Trackback | Comments(0)

紅葉

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『眠る人見舞いの人は窓紅葉』
友人の父が数週間入院している。時々病室に顔を出すのだが、酸素マスクを付けていつも眠っている。今朝も顔を出すと、友人の奥さんが来ていた。僕の名前を言って呼びかけるが眠ったままだ。見舞いの客は、窓辺のハナノキの紅葉を見て感激して帰られるという。実に見事な紅葉である。

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# by arajin01 | 2015-10-30 22:32 | Trackback | Comments(0)

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『野は暮れて光集めて芒かな』
退社時間になると、すっかり暗くなる。自宅近くに来ると、周囲の森も野原も暮れている。芒の生える藪だけが、残照を集めて輝いていた。疲れた目には、優しい輝きだった。

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# by arajin01 | 2015-10-29 22:19 | Trackback | Comments(0)

秋の風

『名を呼べど素通りするや秋の風』
数ヶ月前から、我が家の周囲に新顔の子猫が現れた。勝手に名前を付けて呼んでいるが、いつも無視される。「ゆき、ゆき」と呼んでも、秋の風のように素通りしていった。どうも安易な名前が気に入らないようである。

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# by arajin01 | 2015-10-28 22:08 | Trackback | Comments(0)

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『千の柿生きがい満たす彩や』
やっぱり秋は柿の木だ。たとへ渋柿であっても、この彩を見ていると、満たされて豊かな気分になる。艶やかな柿色は、思わず手に取りたくなる。

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# by arajin01 | 2015-10-27 20:55 | Trackback | Comments(0)

暮の秋

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『ホトトギス花を眺める暮の秋』
友人の庭にホトトギスが群生していた。あまりに見事なので魅いいってしまった。西日が落ちていこうとする時間で、幻想的な風情を感じ想像を膨らませてしまった。陽が落ちると同時に、頬にあたる風が急に冷たくなって現実に戻った。

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# by arajin01 | 2015-10-26 22:08 | Trackback | Comments(0)

姥百合

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『姥百合もそぞろ爆発旅立つか』
姥百合の実に割れ目が目立ってきた。姥百合は、身の中にたくさんの種を内包しているが、実を爆発させて種を四散させる。風があるときなど、かなりの場所まで飛んでゆく。植物の種の保存の不思議な力で、旅立ちのようなものだ。時々その瞬間を目撃することがあるが、それは美しいショーだ。今年もそんな瞬間に出会いたいものである。

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# by arajin01 | 2015-10-25 22:05 | Trackback | Comments(0)

榠櫨 かりん

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『榠櫨の実思わず鼻を近づけり』
我が家の榠櫨の木は、ようやくまともな実を付けてくれた。毎年、実を付けてくれるものの、虫に食われ病害にやられ変形したいびつな実しかならなかった。きれいな実に思わず香りを嗅ぎたくなって、顔を近づけてしまった。今年は、榠櫨の蜂蜜漬けを作ろう。喉の薬になる。

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# by arajin01 | 2015-10-24 22:55 | Trackback | Comments(0)

花之木

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『花之木や百年の赤吐血吸い』
高原のサナトリウムとして有名な病院は、来年で創立九十周年を迎える。この病院のシンボルツリーは花之木である。ハナノキの中部山岳地帯に自生するカエデ科の樹木だが、紅葉の見事さと同時に希少な樹木なのである。創建時に十年ほどの成木を植えたであろうと推測すると、樹齢は百年になるのか。結核患者たちの吐血を吸い取って育ったのではと思えるほどに、真っ赤な紅葉なのである。

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# by arajin01 | 2015-10-23 21:34 | Trackback | Comments(0)

黄落 こうらく

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『帰宅する迎えたつもり黄落す』
我が家の黄金アカシアは、黄変の盛りが過ぎようとしていた。帰宅すると葉がパラパラと振ってきた。お帰りなさいといっているように黄落したのである。

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# by arajin01 | 2015-10-22 21:30 | Trackback | Comments(0)

秋惜しむ

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『秋惜しむ金髪美人の芒の穂』
数日穏やかな日が続いている。芒の穂も、金髪女性の髪のように輝いている。微風に揺られ光に輝いている様は、過ぎ行く秋を惜しんでいるかのようだ。北風が吹けば、金髪も風に乗って飛んでいってしまうだろう。僕も秋を惜しんでいる。

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# by arajin01 | 2015-10-21 21:25 | Trackback | Comments(0)

紅葉

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『紅き葉は日本の赤よ問わずとも』
真っ赤に燃えたもみじの葉は、まさに日本の赤、日の丸の赤。この木は、葉の形だけで誰もが知っている。今年もまた、赤色にめぐり合えた幸せ。

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# by arajin01 | 2015-10-20 21:08 | Trackback | Comments(0)